残業時間を「見える化」することで、
働き方の意識を変えていく
株式会社アイエスシイは昭和63年創業の建設コンサルタントです。「空間を創造し、人と自然をコーディネートする」をキーワードとして、道路や河川、公園などに関する公共事業に携わってきました。環境への配慮と社会資本整備を両立させ、地域の方々にとっての安心安全な街づくりを目指しています。
28名(2020年9月時点)が働く同社では、特に繁忙期に発生しがちな残業の抑制が課題でした。アウトプットを妥協することなく短時間で仕事を終わらせることを目指す同社の働き方が、「direct Smart Working Solution」(以下、「SWS」)によってどのように変わったのかを伺いました。
無駄な残業をなくし、
社員が生き生き働ける職場を作りたい
森様:
建設コンサルタントという業種に共通して、長時間労働が課題として挙げられてきました。弊社は特に公共事業を中心に請け負っていることもあり、時期によってはどうしても残業が発生してしまうこともあります。
長時間の残業が常態化するとさまざまな問題が起こります。社員が疲弊してしまってはよい仕事はできませんし、場合によってはコンプライアンスに抵触しかねません。また新卒リクルートに携わっていると強く感じるのですが、若い方々にとってワークライフバランスは非常に重要になってきています。
そうした方々に我慢を強いるのではなく、会社としてきちんと取り組むことが大事だと考えています。
余計な機能はいらない、
ただひたすら会社の課題に寄り添うシステムが欲しかった
宮本様:
残業抑制の施策を求めていたので、慣れるまで時間がかかる大掛かりなシステムは必要ありませんでした。他社サービスの多くは導入前に大規模な環境構築が必要です。サービス価格や導入コストに見合った効果が出るのかが気掛かりでした。その点「SWS」は、そのあたりの仕様がこちらの思惑と合致し、課題を解決するのに必要十分である点が気に入っています。
いろいろな製品を見比べる中で、PCのロックはするけれどデータは保持する「SWS」は心強いと思いました。例えば時間が来るとシャットダウンしてしまうような製品だと、業務に支障をきたしそうで少し不安があります。業務を妨げることなく課題解決を図る必要十分な製品を探していたところ、インターネットで「SWS」を見かけました。
部下の勤怠を「見える化」して、
働き方に対する意識を変える
森様:
弊社では「SWS」を課長級以下の社員の働き方を把握するために利用しています。残業削減の観点から、原則夜8時には帰宅するようシステム上で設定しています。それを過ぎればPCにロックがかかるので、どうしてもさらなる残業が必要な場合には事前に上長の承認を得るといった具合です。
上司にとっては、「SWS」を通して部下の勤怠が把握しやすくなりました。自分の知らないところで部下が深夜残業しているといったことを防いでいます。気づかないうちに自分のグループで長時間残業が常態化していたといった事態はなくなるはずです。
管理を容易にするだけでなく、残業を減らす方向に意識を向けたいというねらいもあります。部下としては、何故8時以降なのに残業が必要なのかを説明しなければなりません。上司にとっては、なぜ自分のグループは残業が多いのか、どうすれば改善できるのかを考えるきっかけになっているようです。
残業代で稼ぐのではなく、
ボーナスで還元する仕組みを作る
森様:
感覚としては、残業時間はかなり抑制できているように思います。受注によって仕事量は変わるので単純に比較することはできないのですが、少なくとも8時までダラダラ仕事をするようなことは減ったはずです。ワークライフバランスの向上にも貢献しているのではないでしょうか。
「SWS」の導入によって、無駄な残業は削減しなければならないという意識が広まりつつあるようです。弊社の定時は5時なのですが、5時を過ぎた辺りから終わりの時間を強く意識する社員が増えました。わざわざ上司の承認を得るというのは心理的にもハードルが高いようで、PCがロックされる8時までには何とか終わらせたいと頑張る社員も多いです。
残業代が抑制されると社員の月収も減ることになりますが、その分はボーナスという形で還元しました。年間の労働時間が減ったのに給与・賞与の合計額が変わらないのであれば、社員にとって悪い話ではないはずです。あるいは、特に頑張った社員にボーナスを増やすことができれば、それは会社にとっても社員にとっても大きなメリットになりうるのではないでしょうか。
計画性と集中力をもって業務に臨めば、
残業時間は自ずと抑制されていく
森様:
無駄な残業を抑制して短時間に集中して業務に取り組めば、よい結果が生まれます。人間というのは時間無制限と言われるとダラダラと仕事をしてしまうものです。逆に締め切りが決まっていると、それに向けて頑張ろうと思う生き物です。
一方で気持ちばかり焦っても成果にはつながらないので、計画的に働くようにもなったかと考えています。例えば翌日の会議資料は前日の午前中に準備を終わらせておくなど、それぞれの社員が前もって仕事の段取りをつけるようになってきました。特に8時以降に残業する場合は上長に合理的に説明する必要があり、そのためには何のためにどれだけ残業をするのかをクリアにしておかなければなりません。時間の使い方に意識を向ける社員が増えました。
今までであれば、必要以上に残業してしまう社員に対しては「毎日夜にプライベートの予定を入れておきなさい」と指導することもできましたが、今はコロナ禍なので予定も自由に入れられません。その代わりというわけではありませんが、「SWS」で時間を区切ることで計画立てて仕事をするよう促しています。
※記載内容は2021年9月時点のものです。